「米国株に興味はあるけれど、日本株と何が違うの?」「初心者にはハードルが高すぎない?」そんな不安を抱える方も多いはずです。
実は米国株は1株から購入でき、AppleやAmazonなど世界的企業に少額から投資を始められます。
本記事では、米国株式の魅力や日本株との違い、代表的な指数やリスクまで、初心者にもわかりやすく解説します。
米国株投資の基本をしっかりと身につけ、実際に投資を始めてみましょう。
米国株式とは?
米国株式とは、アメリカの証券取引所に上場している企業の株式のことです。
主要な取引所には、世界最大規模のニューヨーク証券取引所(NYSE)とIT・ハイテク企業が多く集まるナスダック(NASDAQ)があります。
これらの取引所では、AppleやMicrosoft、Amazon、Googleといった世界的に有名な企業から、成長性の高いベンチャー企業まで、幅広い銘柄が取引されています。

米国は世界最大の経済大国であり、その株式市場は全世界の株式時価総額の約4割を占める巨大な市場です。
米国株式が注目される理由
近年、個人投資家の間で米国株式への投資が急速に拡大していますが、なぜこれほど注目を集めているのでしょうか。
その背景には、世界的企業への投資機会、少額投資の実現、そして株主還元の充実さという3つの大きな理由があります。
1.世界を代表する有名企業への投資が可能
米国株式市場には、AppleやMicrosoft、Amazon、Googleといった世界的な大企業が数多く上場しています。
これらの企業は、時価総額で100兆円を超える巨大企業であり、世界各国でサービスを展開している身近な存在です。
例えば、私たちが日常的に使用するiPhoneのApple、検索エンジンのGoogle、オンラインショッピングのAmazonなど、生活に欠かせない企業ばかりです。
また、コカ・コーラやナイキといったブランド力の高い企業も多く、長期間にわたって安定した業績を上げています。
日本企業の時価総額トップであるトヨタ自動車が約39兆円である一方、米国のトップ企業群は100兆円を超えており、その規模の違いは明らかです。
2.最小購入単位が1株で少額投資が可能
米国株式の大きな魅力は、すべての銘柄を1株単位で購入できることです。
日本株の多くは100株単位での取引が必要なため、多くの資金が必要になります。しかし米国株なら、同じ1万円の銘柄でも1株から購入可能です。
例えば、コカ・コーラのような世界的企業でも1株1万円以下で購入でき、まとまった資金がなくても投資することが可能です。
このため、投資初心者でも少額から世界的企業への投資を始められます。
3.配当重視の企業文化で安定した収益が期待できる
米国企業は株主還元を重視した経営方針を採用しており、高配当銘柄が数多くあります。
さらに、日本企業が年1〜2回の配当が一般的であるのに対し、米国企業の多くは四半期ごと(年4回)の配当を実施。
これにより、より頻繁にインカムゲインを得ることができ、資金効率も向上します。
数十年間連続で増配を続ける企業も多く、例えば、「P&G」は60年以上連続で増配を継続しており、長期投資における安定したリターンが期待できます。
米国では株主優待制度がない代わりに、配当金による株主還元が充実しているため、配当収入を重視する投資家にとって魅力的な市場といえるでしょう。
国内株式と米国株式の違い
国内株式と米国株式では、取引ルールや時間帯に明確な違いがあります。
国内株式(日本株) | 米国株式 | |
取引単位 | 100株単位 | 1株単位 |
取引時間 | 【前場】9:00~11:30 【後場】12:30~15:30 | 【冬時間】23:30~翌6:00【夏時間】22:30~翌5:00 ※日本時間 |
注文方法 | 指値、成行、逆指値 | 指値、成行、逆指値、追跡指値など |
配当頻度 | 年1〜2回が中心 | 年4回の企業が多い |
上場企業数 | 約3,700(東証など合計) | 約5,300社(NYSE、NASDAQなど合計) |
取引通貨 | 円 | 米ドル(為替リスクあり) |
参照:DMM株
日本の市場は9:00から15:30までで昼休みがありますが、米国株は夜間に取引され、日本時間の夜間から早朝にかけて売買します。
米国株には1日の価格変動に制限がないため、短期間で大きく動くこともあります。
このような違いを理解することで、自分のライフスタイルや投資方針に合った市場を選べます。
日経平均とのパフォーマンスの違い

画像引用:松井証券
※1989年1月4日の日経平均株価とNYダウ指数を100とした場合のパフォーマンス。
長期的な投資成果を比較すると、米国株式市場は日本株式市場を大きく上回る成長を遂げています。
1989年から2023年までの約34年間で、米国を代表するNYダウ指数は約16倍に成長した一方、日経平均株価の上昇率はそれを大きく下回っています。
NYダウは2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの大きな下落局面を経験しましたが、その後は力強い回復を見せ、継続的に最高値を更新し続けているのです。
このパフォーマンスの差は、米国経済の成長力の高さと、イノベーションを生み出し続ける企業文化によるものと考えられます。
長期投資の観点から見れば、米国株式への投資は資産形成において有力な選択肢といえるでしょう。
米国の主要株価指数「S&P500」・「NYダウ」・「NASDAQ総合」の比較
米国株式市場には、それぞれ異なる特徴を持つ3つの主要指数があります。
S&P500 | NYダウ(平均ダウ) | NASDAQ総合 | |
対象銘柄数 | 約500社 | 30社 | 約3,000社以上 |
主な上場市場 | NYSE、NASDAQ | NYSE中心 | NASDAQ |
銘柄の特徴 | 米国の主要大企業 | 歴史ある大企業 | ハイテク中心の新興・成長企業が多い |
業種のバランス | 幅広い(情報技術・金融・医療など) | 工業・金融・ヘルスケアなどが中心 | 情報技術セクターの 比率が高い |
代表的な企業例 | Apple、Microsoft、NVIDIA | Microsoft ユナイテッドヘルス | Amazon、Meta、Google(Alphabet)など |
算出方法 | 時価総額加重平均 | ダウ式修正平均 (株価加重平均) | 時価総額加重平均 |
投資家への意味合い | 米国全体の経済を反映 | 安定性重視 伝統的な指標 | 成長性重視 ボラティリティ高め |
参照:野村アセットマネジメント
※S&P500、NYダウは2024年2月末時点。NASDAQ総合は2023年12月末時点。
※データは過去の実績に基づくものであり、将来の投資成果を保証するものではありません。また、代表銘柄の例は各指数の特徴を説明する目的で記載しており、特定の銘柄の売買や値動きを推奨・予測するものではありません。
S&P500は約500社の大型株で構成され、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーする最も包括的な指数です。
NYダウは歴史が古く、優良大企業30社のみで構成される代表的な指数として知られています。
NASDAQ総合は約3,400銘柄で構成され、特に情報技術セクターの比重が高いことが特徴です。
算出方法も異なり、S&P500とNASDAQ総合は時価総額加重平均を採用していますが、NYダウは株価水準を重視したダウ式修正平均を使用しています。
安定性重視ならS&P500、成長性重視ならNASDAQ総合と言うように投資目的に応じて選択していきましょう。
米国株式のリスク
米国株式投資には、日本株にはない特有のリスクが存在するため、事前に理解しておくことが重要です。
特に日本の投資家が注意すべき主要なリスクは以下の通りです。
為替変動リスク
ドル円相場の変動により、株価が上昇しても円ベースでは損失が生じる可能性があります。
例えば、米国株が10%上昇しても円高が15%進めば、円換算では5%の損失となります。
価格変動リスク
発行企業の業績悪化や市場の需給バランスにより株価が下落し、損失を被る可能性があります。
特に米国株は値動きが大きい傾向にあるため注意が必要です。
株価の割高リスク
現在の米国株は長期間の好景気を前提とした高い株価水準にあり、期待通りの成果が出なかった場合に大きく下落する可能性があります。
人気の高い株ほど「期待値が高すぎる」という可能性があり、期待値から乖離すると反動も大きくなります。
カントリーリスク
米中対立の激化や地政学的な緊張により、米国株式市場全体が影響を受けるリスクがあります。また、米国の政治・経済政策の変更も株価に大きな影響を与える可能性があります。
米国株式に関するよくある質問
米国株式投資を検討している初心者の方から寄せられる代表的な疑問にお答えします。
Q:米国株投資の税制はどうなっていますか?
A:売却益は米国では非課税ですが、日本で20.315%の税金がかかります。配当金は米国で10%、日本で20.315%の二重課税となります。
※ただし、外国税額控除を利用する場合など、確定申告の内容によって異なる扱いとなることがあります。
Q:英語がわからなくても、米国株取引はできますか?
A:日本の証券会社を利用すれば、すべて日本語で取引可能です。企業情報も日本語で提供されるため、英語力は必要ありません。
Q:投資初心者は日本株から始めるべきでしょうか
A:必ずしも国内株から始める必要はありません。米国株は1株から購入でき、馴染みのある企業も多いため、初心者でも始めやすい市場です。
Q:米国株と日本株の主な違いは何ですか?
A:1株から購入可能、値幅制限なし、年4回配当が主な違いです。特に少額投資が可能な点は、初心者にとって大きなメリットとなります。
Q:米国株投資のメリットは?
A:世界的大企業への投資、1株からの少額投資、高配当・連続増配銘柄の豊富さが主なメリットです。長期的な資産形成に適しています。
まとめ|米国株式に投資して資産形成を始めよう
米国株式は、1株からの少額投資で世界的企業に投資できます。また、年4回の配当を受け取ることができる点も魅力的です。
日本株と異なり、取引時間、通貨、配当頻度などの点で違いがあり、投資スタイルに応じた選択が求められます。
この記事から分かるように、S&P500やNASDAQなど主要指数の特徴や、日経平均とのパフォーマンス比較からも、その成長性が見えてきます。
ただし、為替変動やカントリーリスクなど米国株特有のリスクもあるため、注意が必要です。
基本的な知識を身につけたら、まずは少額から米国株投資をスタートして、長期的な資産形成に取り組んでみてはいかがでしょうか。